第5回 「デラウェア・ラリタン運河州立公園 フィーダー運河トウパス」の巻

第2回の「デラウェア・ラリタン運河州立公園 メイン運河トウパス」の巻で紹介しましたが、デラウェア・ラリタン運河は、1834年に主にペンシルバニアで採掘された石炭をニューヨークに運ぶ目的で、デラウェア川とラリタン川を結ぶために作られた運河です。

 フィーダー運河のトウパスは全長32マイルでトレントンのMontgomery Streetとフレンチタウンを結んでいます。トレントン市内を除くと、ほぼ全ルートに渡って木立に囲まれた未舗装の道路で、運河に沿っているためほとんど起伏の無い、平坦なコース。沿線の風景は変化に富み、快適で楽しいサイクリングが楽しめます。

 2〜3マイル毎に一般道と交差し、大体その付近に駐車場があります。もちろん公共の駐車場なので無料です。

 トレントンまではニューヨークのペン・ステーションからアムトラックやニュージャージートランジットが走っているので電車で行くことも可能ですが、トレントンから北西側へは電車の便はありません。


 
   
   
↑トレントン市内のMulberry Streetで地下に潜ったメイン運河は、Southard Streetを越した付近で再び地上に現れ、フィーダー運河と合流します(上の写真で左がフィーダー運河、上がメイン運河)。メイン運河自体は更に南下を続けてボーデンタウンでデラウェア川に接続しますが、トレントン市内ではほとんど暗渠化あるいは埋め立てられて、今はCanal Streetという地名に名残を残すばかりです。
 
 
   
   
↑地名そのままに、フィーダー運河のトウパスはここFeeder Streetから始まります。
 
 
   
   
↑Feeder StreetがBroad Streetと交差する地点の少し北側にトレントン・バトル・モニュメントが立っています(1893年建立とのこと)。夏の間は一般に開放されていて上まで登ることができるらしいです。
 
 
   
   
↑トレントンもアメリカの大都市の例にもれず治安上の問題があり、このPassaic Street付近はちょっと危険なところです。通りがかりの人に自転車を降りないように忠告されましたし、この写真を撮るときも、付近にたむろしていた人から「何をしているんだ!」と大声で怒鳴られました。
 
 
   
   
↑Calhoun Street付近。トレントン市内の中心部から外れ、この辺りから、運河のトウパスらしくなります。
 
 
   
   
↑運河はCadwalder州立公園の中を横切って行きます。一般的には、この辺りからサイクリングを始めるのが良いかも。
 
 
   
   
↑運河の北にトレントン・カントリー・クラブが広がっています。
 
 
   
   
↑Wilburtha Road付近。秋が深まり、トウパスも「落ち葉のじゅうたん」に覆われています。
 
 
   
   
↑ワシントン・クロッシングの鉄橋が見えてきました。ワシントン率いる独立軍がこの付近でデラウェア川を渡り、イギリス軍相手に大勝利を収めたというところです。周辺は州立公園になっています。
 
 
   
   
↑右に見えるのが運河で、この陸橋を登った丘の上がワシントン・クロッシングの州立公園です。
 
 
   
   
↑Lambertvill手前の水門。
 
 
   
   
↑やがて運河の対岸に嘗ての駅舎をレストランに改造したLambertville Stationが見えてきます。アメリカでは自動車の普及に伴って、多くの鉄道が廃止の憂き目にあっています。
 
 
   
   
↑Lambertvilleは「芸術家の町」が売りもの。メインストリートのBridge Streetにはしゃれた店が軒を並べ、休日は観光客で溢れます。
 
 
   
   
↑馬車も走っていますが、これは観光客が目当てです。
 
 
   
   
↑LambartvilleのBridge Streetを過ぎてしばらくは住宅地の中を走ります。
 
 
   
   
↑202号線手前のSpillwayの上に掛かる、ちょっとスリルのある木橋です。人がすれ違うのがやっとの幅しかなく、自転車を降りて渡らなくてはなりません。
 
 
   
   
↑Bull's Islandは大きなキャンプ場があるレクリエーション・エリアで、フィーダー運河はここで最終的にDelaware川と合流します。実は2006年春のDelaware川の氾濫によって、キャンプ場は大きな被害を受け、未だ立ち入りが禁止されたままです。
 
 
   
   
↑州立公園にとって森林火災は大敵。「火災予報」が公園管理事務所の前に表示されています。
 
 
   
   
↑ブルズ・アイランドには歩行者専用橋が掛かっていて、デラウェア川を渡って対岸へ行くことができます。
 
 
   
   
↑橋を渡ると、そこはペンシルバニア州Lumberville。川原に下りてみると、木立がなぎ倒され、2006年に起きた川の氾濫の痕がなまなましく残っているのが分かります。
 
 
   
   
↑Kingwood Boat Launch付近のトウパス。Bull's Islandを過ぎるともう運河はありませんから、「トウパス」と呼ぶのはおかしいかもしれません。
 
 
   
   
↑やがて、おしゃれな町、フレンチタウンに到着します。写真は目抜き通りのBridge Street。
 
 
   
   
↑フレンチ・タウンの鉄橋です。面白いことに、この辺りの主要な町(Lambertvill、Stockton、Frenchtown、Milford)には全てデラウェア川に架かる橋があり、橋に通じる通りが全てBridge Streetという名前です。
 
 
   
   
↑フレンチタウンから2マイルほど行ったところにゲートがあり、トウパスが終わります。林の中で辺りには何もありません。トレントンから32マイル(51 km)、ニューブランズウィックから通算すれば、66マイル(106 km)のトレイルの終点にしてはちょっと淋しい感じがしないでもありません。
 
 

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